この記事の結論
- カーボン紙・ライトボックス以外にも転写方法は複数あり、図案の入手経路や紙質によって向き不向きが分かれる
- コピー機を使う方法(除光液転写)は、トナー(コンビニのコピー機・レーザープリンター)で印刷した図案にだけ使える方法で、除光液(アセトン系)を使ってイレイサーに写し取り、濃淡がはっきりした図案と相性がよい
- アイロンプリントシートを使う方法は、左右反転済みの図案を作れる点が便利だが、消しゴムはんこ用途では準備の手間がやや大きい
- トレーシングペーパーを使う方法は手軽だが、なぞる圧の入れ方によっては線が太くなりやすい
図案の写し方・トレース方法の基本を扱った記事では、カーボン紙とライトボックスという2つの定番の転写方法を紹介しました。
この2つはどちらも手描きの図案を写す前提の方法ですが、実際には愛好者のブログや制作動画を見比べていくと、これ以外にもいくつかの転写方法が使われていることが分かります。
「印刷した図案をそのままコピー機で転写している」という声のほか、布用に使っていたアイロンプリントシートを応用できないかという声も見られ、道具や図案の入手経路によって選ばれる方法が変わっているようです。
この記事では、コピー機を使う方法・アイロンプリントシートを使う方法・トレーシングペーパーを使う方法という3つの転写手段を比較しながら整理していきます。
1. コピー機を使った転写方法(除光液転写)
コンビニのコピー機やレーザープリンターで印刷した図案を、除光液という溶剤を使ってイレイサーに写し取る方法です。
用意するもの・手順
用意するものは、白黒コピーした図案・除光液・ティッシュペーパー・イレイサーです。
手順は、印刷した図案の面を下にしてイレイサーの上に重ね、ズレないように軽く押さえたら、図案の裏側から除光液を含ませたティッシュで全体をトントンとたたいていきます。
目安の時間は20〜30秒程度で、こすらずに軽く押しつけるように叩くのがポイントです。
時間が経ったら紙を静かにめくり、図案がイレイサーの表面に写っているかを確認して完成です。
参考までに、除光液の代表的な製品例として、無印良品 除光液マニキュアのような製品があります。
同じ製品はAmazonでも購入できます。

きれいに転写するためのコツと失敗したときのやり直し方
この方法は、白と黒のコントラストがはっきりしているほど転写がきれいに仕上がるといわれています。
コピーする原本が薄い場合は、白黒コピーの濃度設定を通常より2〜3段階濃くしてから印刷すると、転写のムラが減りやすくなります。
また、イレイサーの硬さによっても仕上がりが変わり、柔らかめのイレイサーの方がきれいに転写できたという声が多く見られます。
もし転写が失敗しても、除光液で再度拭き取れば図案を消してやり直せますが、何度も拭き取りを繰り返すとイレイサーの表面が溶けたようになってしまうため、やり直しは2〜3回程度にとどめておくのが安全です。
除光液は揮発性が高く、独特のにおいがある溶剤です。
作業する部屋の換気を必ず行い、火気の近くでは使用しないようにしてください。
お子さんが一緒に作業する場合は、除光液の扱いは大人が担当するようにしましょう。
2. アイロンプリントシートを使った転写方法
布への転写でよく使われるアイロンプリントシートを、消しゴムはんこの図案転写に応用する方法もあります。
布用の応用として紹介されることがある方法ですが、消しゴムはんこ用の実践例は多くなく、当サイトでも未検証です。
イレイサーは塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂でできており、アイロンの熱で変形したり溶けたりするおそれがあります。
試す場合は低温設定・当て布・短時間から様子を見て、いきなり本番の図案では行わず、まずは端材で試してください。
手順
アイロンプリントシートは、専用の用紙に図案を印刷し、それをアイロンの熱で対象物に転写するしくみの製品です。
製品によっては、印刷する時点で図案を左右反転させておく必要があるため、文字はんこのように反転の有無が仕上がりを左右する図案では、この工程を忘れないよう注意が必要です。
印刷したシートをイレイサーの上に重ね、当て布をしたうえで、低温設定から短時間ずつ様子を見ながら押し当てると、図案が写し取られるとされています(当サイトでは未検証です)。
参考までに、アイロンプリントシートの代表的な製品例として、TransOurDream 真正の転写シート アイロンプリントシート2.0(白・薄色生地用 A4 5枚)のような製品があります。
同じ製品はAmazonでも購入できます。

向いている用途・向いていない用途
アイロンプリントシートは、もともと布用の商品として販売されているものが多く、Tシャツやトートバッグに図案を転写するついでに、余った1枚をイレイサーに使うといった使い方に向いています。
一方で、消しゴムはんこの図案1つだけを写すためにわざわざ専用シートを購入するとなると、コストと手間の面ではカーボン紙や除光液転写に比べて割高になりやすい方法です。
すでに布用にアイロンプリントシートを持っている、あるいは布小物と消しゴムはんこの両方を作る予定がある場合に選択肢に入れる、という位置づけで考えるのが現実的です。
3. トレーシングペーパーを使った転写方法
最も手軽な方法として紹介されることが多いのが、トレーシングペーパーを使う方法です。
手順
図案の上にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆で図案の線をなぞって写し取ります。
なぞり終えたら、鉛筆で描いた面を下向きにしてイレイサーの上に重ね、爪やヘラの背などで全体をこすると、鉛筆の粉がイレイサーの表面に移って図案が写ります。
カーボン紙やコピー機を用意しなくても、鉛筆とトレーシングペーパーさえあればすぐに試せる点が大きな魅力です。
参考までに、トレーシングペーパーの代表的な製品例として、コクヨ ナチュラルトレーシングペーパー 薄口 A4 50枚のような製品があります。
同じ製品はAmazonでも購入できます。

メリット・デメリット
この方法のメリットは、道具が少なく、外出先や旅行中でも思いついたときにすぐ試せる手軽さです。
一方で、こすりつける力加減によって線がにじんだり太くなったりしやすく、細かい図案や文字はんこのように線の細さが重要な図案では、仕上がりが安定しにくいというデメリットもあります。
大きめでシンプルな図案の練習用としては扱いやすいものの、精密さを求める図案には、ライトボックスや除光液転写の方が向いていると考えておくとよさそうです。
4. まとめ:転写方法比較早見表
ここまで紹介した3つの方法を、必要な道具・向いている場面で一覧にまとめました。
手元にある道具や図案の種類に合わせて選んでみてください。
| 転写方法 | 必要な道具 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| コピー機(除光液転写) | 白黒コピー(トナー印刷・インクジェット不可)・除光液・ティッシュ | 印刷図案をそのまま使いたい、コントラストのはっきりした図案 |
| アイロンプリントシート | 専用シート・プリンター・アイロン | 布小物と消しゴムはんこを同時に作る予定がある |
| トレーシングペーパー | トレーシングペーパー・鉛筆 | 道具を増やさずすぐ試したい、シンプルな図案の練習 |
どの転写方法にも一長一短があり、優劣というより「今どんな図案を、どんな道具で写したいか」で選ぶのが現実的です。
まずは手元にある道具で試せる方法から始めて、慣れてきたら図案の種類に応じて使い分けてみてください。
今日のアクション
- 手元にある図案が印刷物か手描きかを確認し、向いていそうな転写方法を1つ選ぶ
- 除光液転写を試す場合は、換気のよい場所で少量から試してみる
- 文字はんこなど左右非対称な図案の場合、反転が必要かを転写前に必ず確認する
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