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消しゴムはんこのきれいな捺し方、重ね押し・位置合わせで失敗しないコツ

木製の机の上で片方の手で花の模様の消しゴムはんこを紙にまっすぐ押し当てて捺している様子、近くに無地のインクパッドが置かれている

この記事の結論

  • 捺すときの圧は「まっすぐ均一に、体重を乗せるように」が基本で、はんこのサイズによって力の入れ方の意識を変える必要がある
  • 多色・重ね捺しは、合わせ位置を2〜3箇所あらかじめ決めておくと、全体を見ながら押すよりズレにくくなる
  • トレーシングペーパーやマスキングテープでガイドを作る方法は、位置合わせの精度を上げる代表的な工夫
  • ズレの原因は「紙が動いた」「はんこを傾けて置いた」など、いくつかのパターンに集約できる

インクの選び方と使い方を扱った記事では、インクを付けるときは軽くたたくように、捺すときはまっすぐ均一な力で押すのが基本という考え方を紹介しました。

この基本を押さえたうえで、実際に何本もはんこを彫っていくと、次に気になり始めるのが「複数の色を重ねて捺すときに、どうすれば図柄がぴったり合うか」という位置合わせの技術です。

ハンドメイド作家の制作記録を見比べていくと、「一発勝負で捺すと毎回微妙にずれる」「合わせ位置を決めてから捺すようになって、格段に成功率が上がった」という声がよく見られます。

この記事では、彫り終えた後、実際に紙へ捺すときの圧のかけ方と、多色・重ね捺しでズレないための位置合わせのコツを整理していきます。

目次

1. きれいに捺すための圧のかけ方

まずは、重ね捺しに進む前提として、基本の圧のかけ方をもう少し掘り下げておきます。

まっすぐ均一な力の乗せ方

インクの選び方と使い方を扱った記事で紹介した「はんこの真上に体重をまっすぐ乗せ、上から軽く押す」という基本の圧のかけ方は、重ね捺しでも変わりません。

捺す面の下に、雑誌やゴム製のマットのような、少し弾力のある下敷きを敷いておくと、はんこ全体に均一な圧がかかりやすくなります。

木製の机の上に敷かれたゴム製のマットの上で、片方の手のひら全体を使って大きめの消しゴムはんこを紙に押し当てている様子

はんこのサイズ別の力の入れ方の違い

小さめの文字はんこやワンポイントのはんこは、指先で押すだけでも十分に圧がかかりますが、面積の広いはんこほど、指先の力だけでは均一に圧をかけきれず、はんこの中心付近だけが濃くなりやすくなります。

目安として、3cm四方を超えるあたりから指先だけでは圧が届きにくくなるため、そこから先は手のひら全体を使う捺し方に切り替えるとよいでしょう。

面積の広いはんこを捺すときは、指先ではなく手のひら全体を使い、円を描くようにではなく、四隅と中央の5点を意識して順番に軽く押し足すという捺し方をすると、圧のムラが出にくくなります。

まず中央を軽く押さえて図案全体の位置を固定し、そこから四隅を時計回りに1点ずつ軽く押し足していくと、力を入れる順番に迷わず、均一な圧に近づけやすくなります。

特に、木製の持ち手を付けていないイレイサーそのものを持って捺す場合は、力が均一にかかりにくいため、面積の広い図案では持ち手を付けることも検討してみてください。

2. 多色・重ね捺しの位置合わせのコツ

1つの図柄を複数の版に分けて彫り、色を変えながら重ねて捺す「重ね捺し」は、消しゴムはんこの表現の幅を大きく広げてくれる技法です。

多色刷り・グラデーションの技法とコツを扱った記事では、下描きの外側に十字の目印(見当)を付けて紙側にも写す方法を紹介しました。
ここではそれとは別の切り口として、図案そのものの中に基準点を取る方法と、ガイド紙を使って位置を確認する方法を扱います。

合わせ位置を2〜3箇所あらかじめ決めておく

重ね捺しでずれやすい人の多くは、図柄全体を目で見ながら「なんとなく」の感覚で位置を合わせようとしています。

あらかじめ「こことここが重なれば正しい位置」という基準点を2〜3箇所決めておき、その基準点だけを見て合わせると、精度が安定しやすくなります。

例えば花の図案なら、花びらの先端と茎の付け根の2点、葉の図案なら葉先と葉の付け根といったように、離れた位置に2点の基準を作ると、片方だけがずれてもすぐに気づけます。

木製の机の上に、1色目のインクで捺された花の図案の紙と、上辺だけマスキングテープで留められたトレーシングペーパーに図柄の輪郭が鉛筆で薄く写し取られている様子が重ねて置かれている

トレーシングペーパーでガイドを作る方法

より確実に位置を合わせたい場合は、トレーシングペーパーをガイドとして使う方法があります。

手順は、まず1色目を紙に捺し、その上にトレーシングペーパーを重ねて、捺した図柄の輪郭を鉛筆で写し取ります。

次に、そのトレーシングペーパーの上辺をマスキングテープで紙に留め、めくって上げ下げできる状態にしておきます。

2色目のはんこを、トレーシングペーパー越しに見える輪郭の線に合わせて置いたら、はんこを持つ手はそのままの位置で動かさず、もう片方の手でガイドだけをめくり上げます。

そのまま、はんこを置いた位置を変えずに真上から押せば、ガイドで確認した位置のまま2色目を捺せます。

多色刷り・グラデーションの技法と組み合わせると、色を重ねる順番によって仕上がりの印象が変わる楽しみ方もできます。

技法そのものの詳しい解説は、多色刷り・グラデーションの技法とコツを扱った記事で取り上げています。

参考までに、トレーシングペーパーの代表的な製品例として、コクヨ ナチュラルトレーシングペーパー 薄口 A4 50枚のような製品があります。

同じ製品はAmazonでも購入できます。

3. ズレを防ぐ道具・工夫

手先の感覚だけに頼らず、道具の力でズレを防ぐ工夫もいくつかあります。

マスキングテープで紙を固定する・置き位置に印をつける

持ち替えの間に紙がずれると版全体がずれてしまう、という点は多色刷りの記事でも触れた通りですが、ここでは同じ図案を複数枚作るときに使える、置き位置の印付けのコツを紹介します。

まず紙の四隅をマスキングテープで机に固定しておくと、1色目から2色目に持ち替える間に紙が動くのを防げます。

同じ図案を複数枚作りたいときは、1枚目ではんこを置いた角の位置に、紙の外側からテープで印をつけておくと、2枚目以降も毎回同じ位置にはんこを置きやすくなります。

参考までに、マスキングテープの代表的な製品例として、ニチバン マスキングテープ 222-15(15mm×18m・8巻入)のような製品があります。

同じ製品はAmazonでも購入できます。

木製の机に置かれた紙の角がマスキングテープでしっかりと固定されている様子のクローズアップ

位置決め用の透明シート・治具を使う方法

スタンプ用品として販売されている、透明なアクリル板やスタンプ位置決め定規のような治具を使う方法もあります。

これらは主に文字はんこや既製のスタンプを並べて捺すために作られた製品ですが、消しゴムはんこの重ね捺しでも紙の位置決めに応用している愛好者が見られます。

頻繁に重ね捺しをするなら検討する価値がありますが、最初のうちはトレーシングペーパーとマスキングテープの組み合わせで十分に対応できます。

重ね捺しに挑戦する前に、まずは1色での捺し方に慣れておくことをおすすめします。
彫刻刀の持ち方から捺すところまでの一連の流れは、練習ステップ表を扱った記事にもまとめています。

4. まとめ:捺し方の失敗パターン別対策早見表

ここまでの内容を、起きやすい失敗パターン別に整理しました。
次に捺すときの確認事項として参考にしてください。

失敗パターン主な原因対策
机の凹凸がそのまま写り込む弾力のある下敷きを敷いていない雑誌やゴム製マットのような弾力のある下敷きを敷く
広い面積のはんこの中心だけ濃い指先だけで押している四隅と中央の5点を意識して押し足す
2色目の位置がずれる目分量で合わせている基準点を2〜3箇所決める、トレーシングペーパーでガイドを作る
持ち替える間に紙が動く紙を固定していないマスキングテープで紙を机に固定する

重ね捺しの精度は、感覚だけに頼るよりも、基準点を決める・ガイドを作る・紙を固定するという3つの工夫を組み合わせることで安定しやすくなります。
最初のうちはうまくいかなくても、練習用の紙を多めに用意して、ズレを気にせず試す回数を増やすことが上達の近道です。

今日のアクション

  1. 手持ちの図案で、重ね捺しに使えそうな基準点が2箇所以上あるか確認してみる
  2. 練習用の紙を数枚用意し、マスキングテープで固定してから1色目を捺してみる
  3. トレーシングペーパーでガイドを作り、2色目の位置を合わせて捺してみる

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この記事を書いた人

文具・工作用品を横断的にリサーチする担当。彫刻刀やデザインナイフの実演動画、メーカーの製品情報、愛好者のレビューなどを比較・整理しながら、これから消しゴムはんこを始める方が迷わず最初の1本を彫り上げられるように情報をまとめています。未購入・未検証の商品については、その旨を明記するようにしています。

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