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図案の写し方・トレース方法の基本(カーボン紙・ライトボックス)

図案の写し方・トレース方法の基本(カーボン紙・ライトボックス)

この記事の結論

  • 図案の転写(トレース)は彫る前の準備段階だが、ここでの正確さが仕上がりの半分を決める
  • 写し方には「カーボン紙」と「ライトボックス(または窓の光)」の2種類があり、図案や紙質によって向き不向きがある
  • 線がずれる・かすれる失敗の多くは「紙のズレ」と「筆圧のムラ」が原因
  • 左右対称でない図案は、この段階で反転させるかどうかを先に決めておく必要がある

消しゴムはんこを彫り始めようとすると、多くの人がいきなり彫刻刀を手に取りたくなります。

ですが実際に彫刻刀を握る前に、図案をイレイサー(専用の消しゴム)に写し取る「トレース」という工程が必要です。

愛好者のブログや制作動画を見比べていくと、仕上がりのきれいなはんこほど、このトレースの段階で丁寧に線を写している傾向が見えてきます。

彫るときにどんなに手先が器用でも、写し取った線自体がずれていれば、彫り上がった図柄もずれてしまうためです。

この記事では、図案をイレイサーへ正確に写す2つの方法と、初心者がつまずきやすいポイントの防ぎ方を整理して紹介します。

目次

1. 消しゴムはんこは「彫る前」で仕上がりの半分が決まる

消しゴムはんこ作りの工程を大きく分けると、「図案を用意する」「図案をイレイサーに写す」「彫る」「試し捺しする」という4段階になります。

この中で意外と軽視されがちなのが、2番目の「写す」工程です。

彫刻刀の使い方に関する情報は比較的見つけやすいのですが、トレースの精度が仕上がりに与える影響については、実際に何本か彫ってみて初めて実感する人が多いようです。

図案の線が少しでもぼやけていたり二重に写ってしまっていたりすると、彫るときにどちらの線を彫ればいいのか迷い、結果的に図柄の輪郭がガタガタになってしまいます

図案そのものの選び方や、彫刻刀・イレイサーといった道具の違いについては、道具選びを扱った別の記事で詳しく整理しています。
ここでは「選んだ道具と図案を、どう正確にイレイサーへ移すか」という一段階に絞って解説します。

図案が描かれた紙・カーボン紙・ピンク色の消しゴムはんこ用イレイサーが、これから写し取る作業を始める直前の状態で木目の机に並べられている様子

2. 図案をイレイサーに写す2つの定番方法

図案をイレイサーに写す方法は、大きく分けて「カーボン紙を使う方法」と「ライトボックス(または光を透過させる方法)」の2つです。

それぞれ手順と向いている図案が異なるため、順番に見ていきます。

カーボン紙を使う方法

カーボン紙は、紙とイレイサーの間に挟んで上からなぞることで、圧力によってインクを転写する道具です。

手順はシンプルで、イレイサー・カーボン紙(インク面を下)・図案の紙、という順番に重ねてマスキングテープなどで軽く固定し、ボールペンや先の丸いペンで図案の線をなぞっていきます。

カーボン紙のメリットは、光を通さない分厚い紙に印刷された図案や、雑誌の切り抜きなど、透過性のない素材でも使える点です。

一方で、紙がずれると図案が二重に写ってしまうため、固定をしっかり行うことが仕上がりを左右します。

ライトボックス・窓の光を使う方法

ライトボックス(トレース台)は、内部から光を発する薄い板で、その上に図案とイレイサーを重ねると、光が透けて図案の線がイレイサー越しに見えるようになる道具です。

見えた線を鉛筆で直接なぞるだけなので、カーボン紙のような二重写りが起きにくいのが特徴です。

専用のライトボックスがなくても、日中であれば窓ガラスに図案とイレイサーを貼り付けて外の光を利用する方法や、スマートフォンの画面を最大輝度にしてその上に重ねる方法でも代用できます。

ただしイレイサーの色が濃い場合や図案の線が細い場合は、光が通りにくく見づらいことがあります。

薄く光るライトボックスの上に図案の紙とピンク色の消しゴムはんこ用イレイサーを重ねて、透けて見える線を鉛筆でなぞっている手元のクローズアップ

3. 写し取るときに起きやすい失敗と防ぎ方

トレースの段階でつまずきやすいポイントを、原因ごとに整理しておきます。

図案がずれる・かすれる原因

図案がずれる最大の原因は、なぞっている最中に紙やイレイサーが動いてしまうことです。

マスキングテープで四隅を固定するだけでも、ずれはかなり防げます。

線がかすれる場合は、筆圧が弱すぎるか、なぞる速度が速すぎることが多いようです。

同じ場所を2回なぞるより、ゆっくり一定の圧で1回なぞる方が線がくっきり写ります

反転させるかどうかの判断

花やイラストのような左右対称に近い図案であれば、そのまま写しても仕上がりに大きな違いは出ません。

ですが文字やアルファベット、左右非対称なイラストの場合、そのまま彫って捺すと、印影(紙に押したときの図柄)が図案と鏡合わせの状態になってしまいます。

文字はんこを作る場合は、写す前に「この図案は反転が必要か」を必ず確認してください。
反転の具体的なやり方と失敗しないコツは、文字はんこの彫り方を扱った記事で詳しく取り上げます。

4. トレース用品、100均で揃うものと専門店で買うべきもの

トレースに使う道具は、100円ショップと専門メーカーとで価格差が大きい分野でもあります。

カーボン紙は文具コーナーで数枚入りが手に入り、まず試してみるには十分な品質のものが多いようです。

マスキングテープや先の丸いペン(トレーサー)も、100円ショップの文房具コーナーで代用できます。

参考までに、まとまった枚数が入ったカーボン紙の製品例として、GOODCHI A4 カーボン紙 転写紙 約100枚セットのような、複数枚セットになった製品もあります。

一方でライトボックスは、100円ショップでの取り扱いはほぼなく、数千円台の製図・イラスト用の製品を選ぶことになります。

すでに年賀状シーズンなど短期間だけ使う予定なら、窓の光やスマートフォンの画面で代用し、継続して何本も彫る予定があるならライトボックスを検討する、という分け方が実用的です。

図案を写し終えたばかりのピンク色の消しゴムはんこ用イレイサーの表面を真上から撮影し、鉛筆でうっすらと転写された図案の線が見えるクローズアップ

5. まとめ:図案の写し方チェックリスト

彫り始める前に、次の点の見当がついているか確認してみてください。

  • 図案・イレイサー・カーボン紙(またはライトボックス)がずれないよう固定できているか、だいたいわかっている
  • なぞる線が二重になっていないか、写す前に確認する習慣がついている
  • 文字や左右非対称な図案の場合、反転が必要かどうかの見当がついている
  • 写し終えた線が薄すぎないか、彫る前に一度チェックする習慣がついている

正確にトレースできていれば、彫刻刀を使う工程はぐっと迷いが少なくなります。

次の記事では、いよいよ彫刻刀を使った線彫り・面彫りの基本について解説します。

今日のアクション

  1. 手元にある図案が左右対称かどうか、反転の要不要を確認する
  2. カーボン紙かライトボックスか、家にある道具で試せる方法を選ぶ
  3. マスキングテープで図案とイレイサーを軽く固定してから、実際に1つなぞってみる

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この記事を書いた人

文具・工作用品を横断的にリサーチする担当。消しゴムはんこそのものの創作歴を語る立場ではなく、彫刻刀やデザインナイフの実演動画、メーカーの製品情報、愛好者のレビューなどを比較・整理しながら、これから消しゴムはんこを始める方が迷わず最初の1本を彫り上げられるように情報をまとめています。未購入・未検証の商品については、その旨を明記するようにしています。

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